農業法人の基礎知識

農業法人とは

「農業法人」とは、農業を行う法人全般のことを言います。

法人による農業は、農地法の改正により、以下のような経緯をたどってきました。

1962年~改正農地法により、農業を行う法人に関する制度が法制化され、農業を行える法人は「農業生産法人」と称する農地を所有する法人のみに限られていました。2009年改正農地法により、あらゆる法人が農地を所有しなくても賃借することでも農業を行うことができるようになりました。2016年改正農地法により、「農業生産法人」は「農地所有適格法人」に呼称が変更となり、農地を所有できる法人という前提は維持したまま、その他の要件が緩和されました。

これらにより、家族経営が主流だった農家に対して、国が法人化を推奨してきました。

農業法人の種類

現在、農地法で定められている農地所有適格法人と、会社法等で定められている一般法人の2種類があります。

(1)農地所有適格法人

自ら農地を所有して農業を行うことができる法人のことで、農地法で要件が定められています。

(2)一般法人

農地所有適格法人以外で、農地を賃借して農業を行う法人のことです。
株式会社や農事組合法人だけでなく、社団法人、NPO法人等のほぼ全ての法人が農業を行うことができます。

法人が農業に参入する場合の要件

法人が農業に参入する場合の基本的な要件(農地法)は個人と同様です。
その上で、農地を所有する場合は(2)、農地を賃借等する場合には(3)の要件を充足することが必要となります。

 

(1)基本的な要件(個人と共通)

①農地の全てを効率的に利用すること

機械や労働力等を適切に利用するための営農計画を持っていること

②一定の面積を経営すること

農地取得等の後の農地面積の合計が原則50a(北海道は2ha)以上であることが必要
※この面積は、地域の実情に応じて、市町村の農業委員会が引き下げることが可能

③周辺の農地利用に支障がないこと

水利調整に参加しない、無農薬栽培の取組が行われている地域で農薬を使用する等の行為をしないこと

 

(2)農地所有適格法人として農業に参入する場合の主な要件

農地所有適格法人は、自ら農地を所有して農業をすることができる法人で、以下のとおり、農地法第2条第3項等で要件が定められています。

①法人形態

株式会社(公開会社ではないもの)、農事組合法人、持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)に限る

②事業内容

主たる事業が農業(関連事業を含む)
※売上高の過半
※関連事業:自ら生産した農畜産物の製造・加工、販売、貯蔵、運搬、販売、農業生産に必要な資材の製造、農村滞在型余暇活動に利用される施設の設置・運営等

③議決権

農業関係者が総議決権の過半を占めること
※農業関係者:法人の行う農業に常時従事する個人、農地の権利を提供した個人、農地中間管理機構又は農地利用集積円滑化団体を通じて法人に農地を貸し付けている個人、基幹的な農作業を委託している個人、地方公共団体、農地中間管理機構、農業協同組合、農業協同組合連合会

④役員

・役員の過半が法人の行う農業に常時従事する構成員(年間150日以上)であること
・役員又は重要な使用人の1人以上が法人の行う農業に必要な農作業に従事(原則年間60日以上)すること

※農地所有適格法人であっても、農地を借りて農業を行うことは可能

 

(3)一般法人(農地所有適格法人以外の法人)として農業に参入する場合の要件

法人が農地を賃借等をして農業を行う場合は、農地法第3条第3項に基づき、以下の要件に基づき、農地の賃借等について農業委員会の許可を得ることが必要です。

①賃借等契約に解除条件が付されていること

解除条件の内容:農地を適切に利用しない場合に契約を解除すること

②地域における適切な役割分担のもとに農業を行うこと

役割分担の内容:集落での話し合いへの参加、農道や水路の維持活動への参画等

③業務執行役員又は重要な使用人の1人以上が農業に常時従事すること

農業の内容:農作業に限らず、マーケティング等経営や規格に関するものであっても可

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