サイバー攻撃対策としての電子投票システム

現在、電子投票法(※)により、地方公共団体の長又は議員の選挙における電子投票(従前の投票用紙を用いずに、コンピューターを用いた投票)を用いることが可能となっています。
電子投票を実施する場合には、当該地方公共団体において、電子投票の実施することを条例で定めることが必要となっています。

現在の電子投票制度の概要

総務省による現行の電子投票制度の説明と実施状況は、以下のリンクよりご覧いただけます。
電磁的記録式投票制度について
電子投票の実施状況

 

※正式名称は、「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票子を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」。 

サイバー攻撃対策としての電子投票システム

電子投票法第4条第2項では「電磁的記録式投票機は、電気通信回線に接続してはならない」と定められています。

 

つまり、電子投票機は外部と接続(インターネット接続)をしてはならないことになっています。

実際には、電子投票の内容を記録した電子媒体を職員が電子投票機から取り外し封印した上で開票所へ送致し、開票所でデータ集計を行っています。

その点が、現在検討されているインターネット投票とは異なる、電子投票システムの大きな利点の一つとなっています。

 

電子投票では外部接続を行わないため、サイバー攻撃を受けるリスクはありません。
サイバーセキュリティ上、外部接続を行わないことは、一番有効な対策です。

電子投票のメリット

①開票時間の迅速化
電子投票を用いることで、投票日当日の投開票に紙が使われず、電子データで集計することができるため、開票作業を30分以内に終わらせることも可能になります。
実際、現行の電子投票法の下で行われた地方選挙で、六戸町は14分、京都市は22分で、不在者投票等の紙での投票の集計を含めた全ての開票・集計作業が終了しています。

 

②疑問票・無効票がなくなる
電子投票機に予め登録された候補者名が表示され、それを選択して投票するため、疑問票や無効票がなくなります。
(投票用紙への手書きのみの場合、候補者名等が判読ができなかったり、複数の候補者と読み取れる等の無効票・疑問票等が生じてしまします。)

 

③投票所・開票作業にかかる人員コストを大幅に削減
電子投票を用いることで、投票所における投票用紙の交付のための職員数を削減することができます。
また、投票当日の投票分については紙の開票作業が不要になるので、開票作業に当たる職員数も大幅に削減することができます。

 

※電子投票導入により、投票所の正規職員を1名削減、開票時間を半減、開票所の職員数を5分の1に削減、投票用紙不要化による経費削減が可能となると仮定した場合、2017年度衆議院議員総選挙の予算額約570億円に対し、約55億円の減少が見込まれるとの試算もあります。

電子投票法改正案(国政選挙への拡大等)

公正性を担保し適正に執行されることを大前提に、地方選挙で用いられている電子投票を国政選挙等にも用いることができるようにする電子投票法改正案が検討されています。

電子投票法改正案は、電子投票の範囲を国政選挙及び最高裁判所裁判官の国民審査の投票に拡大することを内容としています。
これに基づき、条例を制定した地方公共団体が、実際に電子投票を実施することができます。

○投票の手順(自書式の導入)

手順① 自書(手書き)入力
電磁的記録式投票機の画面に、候補者名等を自書(手書き入力)します。

 

手順② 候補者名等の表示
手順①で自書(手書き)入力された文字を投票機が読み取り、候補者名等が画面に表示されます。

 

手順③ 投票
表示された候補者名等のボタンを押すことで、投票が完了します。

 

※自書式を導入することで、電子データだけでなく、候補者名等と自書部分を紙媒体として保存することで、事後的な検証が可能となります(原則、開票作業には用いません)。

※国民審査の場合、罷免を可とする裁判官に×の記号を自書することとなります。

○電子投票の安定性及び検証可能性を高めるための措置

1 技術的基準
適合すべき技術的基準(総務大臣告示)に基づいた電磁的記録式投票機を用いることを法律上明記することで、電子投票の安定性を確保し、確実に電子投票が実施されるようにします。

 

2 紙媒体の印刷・保存
投票内容及び投票時の手書き入力の文字を印刷した紙媒体を作成し、任期の間、保存します。
※争訟の時など、事後的に投票総数、得票数等の確認の必要が生じたときに使用することを想定。

○交付金の交付

電磁的記録式投票機等を予め確保することに要する費用に充てるため、電子投票を行う市町村に対し交付金を交付することにより、電子投票の普及を促進します。

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