北陸新幹線(金沢・敦賀間、敦賀・新大阪間)の財源問題のポイント

(1)金沢・敦賀間の建設費増加について

==金沢・敦賀間の建設費増加分の財源については、最新情報が【こちら】にございますので、ご覧ください。==

 

11月28日、与党新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)が開催され、北陸新幹線(金沢・敦賀間)について、当初認可された際の建設費約1兆1,860億円から増加することとなった約2,260億円について、国と地方自治体から以下のような表明があり、現在のスキーム通りに国2/3、地方1/3で負担していくことで一定の結論が得られました。

 

【国交省の対応】
増加分の国費について国交省は、既に平成31年度予算概算要求において『建設中区間の確実な開業に追加的に要する経費について事項要求』(金額を定めずに予算を要求)しており、確実な財源確保を進めています。

 

【福井県・石川県による負担の表明】
PTの席上、福井県及び石川県から、ルールに則って負担をする旨の表明がありました。

 

<現在のスキームによる建設費の負担額>

 

【新幹線の建設費の負担割合】

県の負担分=(建設費-貸付料等)×1/3
国の負担分=(建設費-貸付料等)×2/3
 ※全国新幹線鉄道整備法第13条第1項及び同法施行令第8条第1項に規定

北陸新幹線の建設費の負担割合

増加額約2,260億円のうち、福井県内の建設費の増額は約1,350億円となり、貸付料の充当等が行われない場合は、国が2/3の約900億円、福井県が1/3の約450億円の割合で負担することとなります。

北陸新幹線(金沢・敦賀間)の建設費増加額

(2)敦賀・新大阪間の財源確保について

敦賀・新大阪間の建設費は約2兆1,000億円かかると試算されています。

一方、建設費負担の財源スキームは法令(全国新幹線鉄道整備法第13条第1項及び同法施行令第8条第1項)で、建設費から貸付料等を控除した残りの建設費の2/3を国、1/3を地方自治体が負担すると定められています。

 

今後の敦賀・新大阪間の財源問題については、まずは現行の財源スキームの枠内でどのような対応を採ることができるかを優先して議論することとなります。 具体的には、貸付料の増額の検討をまず行います。

 

【貸付料増額の検討】

貸付料とは、いわゆる線路使用料のことです。

整備新幹線の線路等の施設は国(鉄道・運輸機構)が建設・保有し、営業主体であるJRが新幹線開業後30年間、鉄道・運輸機構に「貸付料」を支払い、それが整備新幹線の建設費に充てられています。

 

【各年度の貸付料の算定方法】

 

(1)建設中3線区でそれぞれ以下の計算を行う

当該年度に要する建設費 ×{貸付料の見込み(30年間分)÷ 総工事費} …①

 

(2)全体の貸付料収入等から税等を控除した額を、当該年度の建設中3線区で計算したそれぞれの①の額の割合で按分する

※以下の割合で按分 北陸新幹線の①:九州新幹線の①:北海道新幹線の①

 

貸付料は整備新幹線の建設費の中心であり、貸付料の増額は地方の負担を軽減するものですので、敦賀・新大阪間の建設費約2兆1,000億円の確実な財源確保に向け、見直しの議論を一層加速させる必要があります。

 

◆検討事項①:

貸付料支払い対象期間 ⇒現行の30年間の期間を延長し、延長した分を建設費に充当できるよう検討します。

 

◆検討事項②:

貸付料の金額の算定方法 ⇒認可時の算定根拠となった予想収益よりも実際の収益が良い事例もあることから、算定方法の再検討を行い、1年当たりの金額の増額を検討します。

(3)敦賀から関西へ  一日も早い開業を実現する方法

北陸新幹線の敦賀・新大阪間は、PTでのルート決定の際、「工期15年・建設費約2兆1,000億円」で了承しました。

 

敦賀・新大阪間(約143km)の工事実施計画書において、工期15年となると2037年度末開業ということになりますが、福井県は敦賀・新大阪間一括の工事実施計画書で7年前倒しの2030年度末の全線一括開業を要望しています。
しかし、これを要望することは、財源確保の議論等により時間切れを招き、結果として敦賀から関西への開業が2037年度末になってしまう可能性が大です。

 

そこで、条件として工期15年の中で二期(敦賀・京都間、京都・新大阪間)に分けることを盛り込んだ上で、工事実施計画書を提出することを了承すべきです。

何よりも、敦賀から関西(京都)に一日も早く開業することにより、関西(京都)から福井、そして北陸に観光客等人の流れを創出し活性化を図ることが福井県にとって最も重要です。

 

なお、敦賀・京都間の約98㎞の内訳は、福井県地籍約52㎞は用地取得が容易な区間であり、京都府地籍約46㎞はほとんどがトンネル区間ですので、敦賀・京都間の開業に向け早期の工事が可能です。

京都・新大阪間については、埋蔵文化財の関係等で、工期が遅れることが懸念されます。

 

一日も早い関西への北陸新幹線の開業を目指し、敦賀・京都間の先行開業を目指してまいります。

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