下水道ストックマネジメント

全国の下水道管渠の総延長は約47万km(2017年3月末)ですが、標準耐用年数50年を経過した管渠の延長が現状では約1.4万km(総延長の3%)が、10年後は5.7万km(12%)、20年後は14万km(30%)と今後は急速に増加していきます。

下水道の老朽化の現状

今後、老朽管が急速に増加することにより、管渠の修繕・改善(更新)等が集中することにより、地方公共団体の財政を圧迫したり、必要な修繕・改善が集中することによる対応の遅れ等が懸念されます。

 

そこで、国土交通省は「下水道ストックマネジメント支援制度」を2016年4月に創設し、その対応を促進しています。。

下水道ストックマネジメント支援制度

「下水道ストックマネジメント」とは、目標とする明確なサービス水準を定め、一連の下水道システムの全施設を対象として、その状態を点検・調査等によって客観的に把握、評価し、中長期的な施設の状態を予測しながら、維持管理、改築・修繕を一体的に捉えて下水道施設を計画的かつ効率的に管理することをさします。

これにより、改築・修繕等の事業費が一定期間に集中的に必要となることが避けられる(標準化)とともに、事業費の削減を図ることが可能になると言われています。

ストックマネジメント導入の効果

下水道ストックマネジメントは、従前の施設ごとの老朽化対策・長寿命化支援とは異なり、下水道事業全体を俯瞰して最適な維持管理、改築・修繕を行うことが特徴です。

 

そして、国土交通省は、地方公共団体等が下水道ストックマネジメントを行う際に交付金(国庫補助)で支援を行う「下水道ストックマネジメント支援制度」を創設し、以下の費用を措置しています。

○下水道ストックマネジメント計画の策定に関する費用
○下水道ストックマネジメント計画に基づく点検・調査に要する費用
○下水道ストックマネジメント計画に基づく改築に要する費用

 

なお、交付金の対象となる工法は、以下の4種類です。

○反転工法(自立管)※1
○形成工法(自立管)※1
○さや管工法(自立管)※2
○製管工法(複合管)※1

※1 『管きょ更生工法における設計・施行管理ガイドライン-2017年版-』に準拠して設計・施行されるもの
※2 JIS、JSWAS、下水協の認定資機材(I類・II類)等)

 

下水道の更生の検査と報告書の保管期間について

下水道の更生を行う際の検査は、公益社団法人日本下水道協会が定める『管きょ更生工法における設計・施行管理ガイドライン-2017年版-』に基づいて行われます。

工場で製造したものでしたら出荷時の検査を行うことが可能ですが、現場で施行した場合は現場での検査が必要となりますので、工場出荷の事例よりも検査が難しくなります。

また、検査報告書は10年間ほどしか保存されておりません。

 

そこで、下水道の長期的な管理を目的としている下水道ストックマネジメントにおいては、年月が経過しても責任の所在を明らかにすることが必要です。

最低でも20年以上は検査報告書を保存することが求められます。

 

以下の公文書管理法では国の行政機関は必要に応じて、行政文書の保存期間の延長することができ、地方公共団体も公文書管理法に基づき条例等を定める努力義務があります。

支援制度を活用して国の交付金を活用している以上は、適正に検査が行われたという報告書の適切な保存を求めてまいります。

(参考)公文書等の管理に関する法律

国の行政機関は、公文書管理法によって行政文書に保存期間を設定することとされており(法5条1項)、行政機関の長はその保存期間及び保存期間の満了の日を延長することができます(法5条4項、施行令9条2項)。

 

そして、地方公共団体は公文書管理法の趣旨に則って必要な施策の策定・実施を行うよう努めなければなりません(法34条)。

これに従い、多くの地方公共団体では条例や規程を定め、公文書管理を行っています。

 

関係条文PDF

  • profile 山本 拓 とは
  • 福井情報
  • メールマガジン 「拓ネット」 登録はこちら!

TOPに戻る