森林政策の基礎知識


日本全体の森林面積は約2,500haで、国土面積3,780万haの66%を占めています。


国有林は767万haで、そのうち、人工林は233万ha、天然林は471万haとなっています。
一方、民有林は1,740万haで、そのうち、人工林は796万ha、天然林は871万haです。


 

森林計画制度


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現在の森林計画制度は、森林・林業基本法11条に基づく「森林・林業基本計画」を基礎に、農林水産大臣が森林法4条に基づき「全国森林計画」を定めることとなっています。
国有林については「全国森林計画」に即して、各地方森林管理局長が森林法7条の2に基づき「地域別の森林計画」を定めます。

民有林については「全国森林計画」に即して、都道府県知事が森林法5条に基づき「地域森林計画」を策定し、市町村は、その「地域森林計画」に適合するよう、森林法10条の5に基づいて、「市町村森林整備計画」を定めます。

森林所有者やその委託を受けた者は、「市町村森林整備計画」に適合するよう、森林法11条に基づき、「森林経営計画」を策定し、市町村からの認定を受け、実際の森林整備を行うこととなります。

2018年、森林経営管理法が国会で成立しました。

これにより、市町村に森林経営管理に関する権限が新たに加わり、森林整備の主体は市町村になることとなりますので、その役割は更に大きくなります。


 

森林環境税と森林環境贈与税

森林整備に関し新たな権限が市町村に付与されるのに伴い、市町村等の森林整備等に活用される財源として、森林環境税と森林環境譲与税が導入されることとなります。

平成36年度から施行される予定の森林環境税は、国内に住所を有する個人を対象に、一人当たり年額1,000円、全体で年間約600億円を国税として納めていただくものです。

森林環境譲与税は、森林環境税で納めていただいた年間約600億円全額を、市町村へ90%、都道府県へ10%の割合で、一定の基準に従って配分し、市町村等は間伐等の森林整備や木材利用の促進等の取組を行うこととなります。森林環境譲与税は、森林環境税に先駆けて平成31年度から施行されます。

前述の森林経営管理法とこの森林環境譲与税により、今まで適切に管理されていなかった森林についても市町村が中心となり、整備が進められることになります。


 

木材及び木質バイオマス利用の推進

地球温暖化防止のための国際的な枠組であるパリ協定における「日本の約束草案」の目標、温室効果ガスを排出削減・吸収量確保により、2030年度で2013年度比マイナス26%の達成のため、日本政府は、2016年5月に地球温暖化対策計画を閣議決定しました。

木質バイオマス発電・熱利用の促進も重要となりますが、その資材となる木質チップ等は、その利用の拡大により、国内での安定供給が難しくなり、輸入に頼っているのが現状です。
それでは、国内における森林吸収源対策になりませんし、地域の経済にとってもプラスになりません。

そこで、今まで経済的に不利等の理由で整備が行われてこなかった森林について、新しい森林経営管理法と森林環境税・森林環境譲与税で、市町村等が今まで手付かずだった森林等において適切に間伐等を行い、間伐材をしっかりと木質バイオマスとして活用できる安定供給体制を構築することが必要です。

そのためには、「地球温暖化対策計画」にも定められているとおり、間伐材等の木質バイオマスの「効率的かつ低コストな収集・運搬システムの確立」の実現を図らなければなりません。

その一つとして、近接する国有林と民有林で森林整備の時期を調整し、一度で多くの間伐材等を効率よく運搬することが必要です。
そのためには、国有林に関して各地方の森林管理局長が定める「地域別の森林計画」と、民有林に関する「地域森林計画」や「市町村森林整備計画」等における連携を促進させていかなければなりません。

また、運搬コストの低減化には、林道等における無人運転の導入も不可欠です。
今までのような製材としての木材のみならず、間伐等により生じる製材とならない木材や枝葉も含めた自動運搬システムの構築を進めなければなりません。

林道においては、普段は一般車両が通行でき道路交通法の対象となっている場合であっても、林道管理者が通行止め等を常時判断できるため、林道における作業が必要な期間は、林道管理者が通行止めにした上で、安全かつ迅速に作業ができることになっています。


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しかし、一般車両が走行することができる林道等については、林業等の施業に用いる場合でも、道路交通法上、警察の許可が必要となると誤解されていることがあります。

林道においては、普段は一般車両が通行でき道路交通法の対象となっている場合であっても、林道管理者が通行止め等を常時判断できるため、林道における作業が必要な期間は、林道管理者が通行止めにした上で、安全かつ迅速に作業ができることになっています。

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