『森田実と山本拓の対談』(森田実 氏 著書より抜粋)

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地元に根付き地方議員からベテラン衆議院議員に

山本拓の父・治は鯖江市長、福井県議会議長、自由民主党福井県連幹事長を歴任した実力派地方政治家であった。また祖父・雅男も福井県議会議員を務めていた。幼い頃から、政治が身近な環境のもとで成長した。山本拓も大学を卒業後、郷里に戻り、鯖江市の鯖江青年会議所理事長を務めるなど、地元のまとめ役として活動するなか、周囲の支持もあり福井県議会議員に出馬する。祖父・父の歩んだ政治家の道を歩みはじめた。

 

福井県議会議員を2期務めた1990年に衆議院議員選挙に立候補することになった。当時は中選挙区制で、福井の衆議院選挙区は全県1区だった。自由民主党公認で立候補し見事当選して衆議院議員に就任した。この頃の自由民主党の議員仲間としては、後に政治行動を共にする新井将敬、太田誠一、柿沢弘治などがおり、親しく交流していたという。

 

そして、日本政界は保守複数政党時代に入る。山本も自由民主党を離党し、自由党、新進党などの結党に参加する。中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に移行した最初の1996年の衆院選に新進党公認で立候補するが惜しくも落選した。翌年、山本は新進党を離れ、無所属で福井県知事選に挑戦したが、現職の壁は厚く敗北。一時、山本は実業に取り組み、会社経営などに携わり、この分野でもしっかりと結果を残した。

 

その後、自由民主党に復党し、2003年の衆院選では自由民主党の公認を得て、福井2区から立候補して当選し、衆議院議員に返り咲く。第1次安倍内閣では農林水産副大臣に起用され、地方議員時代から培った農水行政で力を発揮した。その後、福井2区での当選を重ね6選を果たす。ところが、2014年の衆院選においては「0増5減」の定数削減の影響で、小選挙区からの立候補が叶わず、比例北陸信越ブロックの自由民主党単独候補1位で7選を果たした。この選挙の直前、志帥会に入会した。山本は、2017年にも比例北陸信越ブロックから当選し、計8回も衆議院当選をしているベテラン政治家である。

わが道を行く政治家・山本拓

志帥会事務局長の永井等は、政治家としての山本についてこう述べた。

 

「良い意味で『わが道を行く』タイプである。実は心の優しい人情家であるが、それを理解するには一対一で話してみないと分からない。特別な問題が発生しない限り自説を主張しない。しかし一度発言すると周りが静かになるほど重みのある内容を語る」

 

山本は1990年代前半の政界再編成が激しく展開された時期に、柿沢弘治、新井将敬、太田誠一らとともに、脚光を浴びたことがあった。テレビにもしばしば登場した。知名度と人気も高まり、将来が大いに嘱望された。

 

山本の最も親しい議員仲間は新井将敬、松岡利勝、松下忠洋だったという。3人とも自ら命をたったが、同志を大切に思う山本にとってはつらいことだっただろう。新井将敬は、私と一緒のテレビ出演が多く、個人的に親しくなり、よく彼の選挙区へ通った。非常に頭が良く気持ちのよい男だった。山本もよく彼の選挙区へ足を運んでいた。また、山本と松岡利勝と松下忠洋は、当時のガット・ウルグアイ・ラウンド・コメ自由化締結阻止を訴え、3人で同志を集め国会議事堂正面前で3日3晩座り込みハンガーストライキを決行した、正に同志だったと言う。

 

日本においての少数派は一時的に国民から支持されることがあったとしても、長期的にそれを持続することはむずかしい。政治改革をめぐる混乱のなかで自民党を離れた政治家たちは、それぞれの信念で、野党議員の立場を貫いている者、自民党に復党した者、政界から離れた者に分かれた。山本は一度政界を離れたが再び復帰し、自民党員となった。

 

今回、山本へのインタビューで印象に残ったのは、山本が「二階幹事長」「二階先生」「二階さん」と言い方は違ってはいたが、何回も「二階」の名を口にしたことだった。わが道を行く山本からは、二階俊博への全幅の信頼と心の底からの情愛を私は感じた。

 

これからも山本拓は国民目線でわが道を行く

「国土面積の70%以上が森林地、農地、草地である。私はこれらの地域こそ国民の『新しい生活様式』を支える新産業基盤づくり拠点にすべきと考えている。」

 

山本は、私に対して、今取り組んでいる政治課題を熱心に語った。

 

過疎地への光ファイバ・5Gの整備による重機や運搬車の自動走行をはじめとするiコンストラクションはスマート農業・林業と農道・林道を一体化し、それにより間伐材等を有効活用し、土壌改良等に利用できるバイオ炭の製造、バイオマス発電・熱利用で地球温暖化対策にも役立てると言う。また、防災のためのダムや河川への遊水槽の導入、水力や太陽光等の再エネ活用、その電力等を利用した植物工場整備、米粉等にも力を入れる。

 

さらに、光ファイバ網は、新型コロナウイルス感染症拡大により注目を集めた大都市から地域へ目を向けるサテライトオフィス等の実現を目指すことにも繋がると言う。

 

ドローンの拠点『空の駅』に代表されるよう、全ての先進技術を導入すべく全国の意欲的な専門家や事業者と国を繋いで先駆モデルを構築するのが現在の山本の政治スタイルだ。

 

山本は大変優秀な頭脳の持ち主だと、私は思っている。時代の先を読む能力がある。すぐに行動する俊敏な性格の持ち主である。政治はチームをつくらなければ、大きな仕事はできない。山本にとって「チームづくり」が、今後の課題といえるかもしれない。

 

『森田実,志帥会の挑戦,論創社,2020.』より抜粋

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