処理水を海洋放出する場合は30年もかかり、風評被害が拡大し、ずっと続くこととなります

通常原子力発電所から排出することができる放射性物質の量は、法令上は1ミリシーベルトですが、『発電用軽水型原子力施設中編の線量目標値に関する指針』(昭和50年5月13日原子力委員会決定)で、年間50マイクロシーベルトが努力目標として示されています。

 

この指針を基礎に、通常原子力発電所では年間に放出することができる放射性物質の量を、原子炉等規制法上の保安規定に記載し、原子力規制委員会の認可を受けることとなっています。

仮に、通常運転中の原子力発電所でこの保安規定に記載の量を超えた場合は、保安規定に反することとなり、法令違反となります。

 

東京電力福島第一原子力発電所では、事故前(通常運転時)は、1号機ないし6号機の合計で年間22兆ベクレルとしており、1機当たり約3.7兆ベクレルとなっています。

 

経済産業省の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」は、年間22兆ベクレル分の処理水を処分した場合、21年から33年もの長い間に亘って処理水を放出し続けるという試算を発表しています。

 

その間、風評被害の拡大が続くこととなりますので、海洋放出せずに、保管しトリチウム水分離技術の研究開発・実用化を国として支援し推進する方向に舵を切るべきです。

 

(参考)

※『多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書』(2020 年2 月10 日)より抜粋

 

処理水には事故由来の57核種が含まれ、二次処理をしても検出されています

 

福島第一原子力発電所でタンクに貯蔵されている処理水(汚染水をALPSで処理した水)には、トリチウム以外にも63核種が含まれ、そのうち、通常の原子力発電所の排水に含まれるのは6核種のみで、残りの57核種は通常の原子力発電所の排水には含まれない「事故由来の核種」です。

 

以下の表は、処理水に含まれる63核種の半減期の長い順に並べたものです。

 

半減期

 

二次処理をしても事故由来の核種は残ります

 

東京電力が、主要7核種とストロンチウム89の計8核種について、処理水を二次処理の試験を行った結果を発表しました。

 

その結果、二次処理後も6核種(うち5核種は通常の原子力発電所の排水に含まれない核種)が検出されました。

二次処理をしても、事故由来の核種はなくなる訳ではなく、残り続けており、それを30年にも亘って海洋放出することは、通常の原子力発電所の排水を同視することはできず、風評被害の拡大を招くこととなるとみられます。

 

↓ 東京電力が発表した資料です。

https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2020/2h/rf_20201015_1.pdf

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