省エネルギー

温室効果ガスの削減に関するパリ協定に関係し、日本の「約束草案」では、国内の排出削減・吸収量の確保により、2030年度に2013年度比26.0%減(2005年度比25.4%減)の水準(約10億4,200万t-CO2)とすることとしています。

それを受け、我が国のエネルギーミックス(『長期エネルギー需給見通し』)では、2030年度に最終エネルギー需要を対策前比で原油換算5,030万klの削減が必要と定めています。

必要な省エネ量

省エネの課題と対策

省エネ対策の現状

以上のように省エネに関する対策は着実に進められていますが、進捗にばらつきがあるため、以下の課題①~⑤について、特に対策を促進しています。

 

課題(1)

産業・業務部門 エネルギー消費効率(原単位)の足踏みが課題。
対策①
連携省エネ計画の認定制度の創設(省エネ法改正)
旧:企業ごとのエネルギー消費量に基づいて評価
新:「連携省エネルギー計画」の認定を受けた者は、連携省エネの省エネ量を企業間で分配して定期報告可能となる

連携省エネ計画の認定制度の創設

◆支援策
1 認定された「連携省エネルギー計画」の実施に必要な設備投資に対する税制を措置
法人税:30%特別償却、7%税額控除(中小企業)
2 連携省エネ等の効果の高い省エネ取組に必要な設備投資(代替)に対する補助金を措置
平成30年度予算:600億円の内数

対策②
認定管理統括事業者の認定制度の創設(省エネ法改正)
グループ企業が一体的に省エネ取組を行うことについて認定を受けた場合、親会社による省エネ法の義務(定期報告・中長期計画の提出、エネルギー管理統括者等の選任)の一体的履行を認める。

認定管理統括事業者の認定制度の創設

課題(2)

運輸部門(貨物分野) 小口配送・再配達の増加等の増エネ懸念が課題。
対策①
荷主の定義の見直し(省エネ法改正)
旧:荷主=貨物の所有者
※工場→工場の輸送を念頭としていた
※ネット小売事業者には、貨物の所有権を持たない物も存在し、その場合、輸送の方法を決定しているが、省エネ法の対象外。
新:荷主=輸送方法を決定する者
◆支援策
1 認定された「荷主連携省エネルギー計画」の実施に必要なシステム等の設備投資に対する税制を措置
法人税:30%特別償却、7%税額控除(中小企業)
2 荷主と輸送事業者の連携省エネに必要なシステム等の設備投資に対する補助金を措置
平成30年度予算:60.5億円

対策②
「準荷主」の新設(省エネ法改正)
荷主が決定した輸送方法の下で、到着日時等を指示できる貨物の荷受け側を「準荷主」と位置付け、手待ち時間の発生抑制等、貨物輸送の省エネへの協力を求める(努力規定)。

課題(3)

運輸部門(旅客分野) EV・PHV/FCVの普及加速が課題。
対策
省エネ法に基づく次期燃費基準について、「省エネルギー小委員会自動車判断基準WG」で議論中。
※参考
トップランナー制度による乗用車燃費基準
・乗用車メーカー等に対し、目標年度までに販売車両の平均燃費値を基準値以上にすることを求める。
・対象はガソリン車、ディーゼル車、LPG車。(EV、PHV、FCVは対象外であり、基準値設定においても加味されていない。)

燃費トップランナー

※政府の次世代自動車の普及目標は、次のとおりです。

次世代自動車の普及目標

課題(4)

家庭・業務部門 機器間連携等による省エネ技術の開発・普及が課題。
対策
トップランナー制度の下での個々の家電等の効率の向上のみならず、IoTやAI、データを活用した危機感連携等による新たな省エネ技術の開発・普及を促進するため、評価方法を検討中。

今後の省エネ技術のイメージ

課題(5)

家庭・業務部門 住宅・ビルの徹底した省エネ性能向上が課題。
対策
建築物省エネ法による基準適合義務化を進めることに加え、住宅・ビルの更なる省エネ性能向上が不可欠であり、住宅・ビルのゼロ・エネルギー可を更に促進し、2030年に向けた建築物の省エネの新たなモデルを確立・普及する。

ZEH
◆政府目標
2020年までに、ハウスメーカー、工務店等の新築注文戸建の過半数をZEH化。
2030年までに、新築受託について平均でZEH相当となることを目指す。

ZEB

◆政府目標
2020年までに新築公共建築物等で、2030年までに新築建築物の平均でZEBを実現することを目指す。

(参考)そもそも省エネ法って?

「エネルギーの使用の合理化アンドに関する法律」のことです。
概要
○工場等の設置者、輸送事業者・荷主に対し、省エネ取組を実施する際の目安となるべき判断基準(設備管理の基準やエネルギー消費効率改善の目標(1%)等)を示すとともに、一定規模以上の事業者にはエネルギーの使用状況等を報告させ、取組が不十分な場合には指導・助言や合理化計画の作成指示等を行う。
○特定エネルギー消費機器等(自動車・家電製品等)の製造事業者等に対し、機器のエネルギー消費効率の目標を示して達成を求めるとともに、効率向上が不十分な場合には勧告等を行う。

省エネ法の概要


機器・建材トップランナー制度
機器や建材のメーカー等に対して、機器等のエネルギー消費効率の目標を示して達成を促すとともに、エネルギー消費効率等の表示を義務化。
対象32品目で、家庭のエネルギー消費の約7割をカバー。
また、機器等の小売事業者を対象に、機器の省エネ情報の提供を求める。(努力規定)

トップランナー制度の仕組み

トップランナー制度の対象となる機器は、以下のとおりです。

乗用自動車 自動販売機
エアコンディショナー 変圧器
蛍光灯器具及び電球形蛍光ランプ ジャー炊飯器
テレビジョン受信機 電子レンジ
複写機 DVDレコーダー
電子計算機 ルーティング機器
磁気ディスク装置 スイッチング機器
貨物自動車 複合機
ビデオテープレコーダー プリンター
電気冷蔵庫 ヒートポンプ給湯器
電気冷凍庫 三相誘導電動機
ストーブ 電球形LEDランプ
ガス調理機器 ショーケース
ガス温水機器 断熱材 ※
石油温水機器 サッシ ※
電気便座 複層ガラス ※

※建材トップランナー制度対象品目

製造・輸入事業者への表示義務例

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