水素社会実現

以下の情報を更新しました。

 

【11月14日追加】「水素閣僚会議」に関する資源エネルギー庁のリンク先を追加しました。

【10月24日追加】「水素閣僚会議(東京宣言)」の情報を追加しました。

 

水素は、エネルギーとして活用する場面では二酸化炭素を排出しません。

また、製造する場合も再エネ等を活用することでCO2フリーとなりますので、今後の世界のエネルギーの中心となる可能性を持っています。

 

CO2フリーの水素社会実現に向けては、特に地域における再エネを活用した水素製造を推進することが必要で、そのためには水素製造ユニットの標準化等による低廉化や水素貯蔵・活用の促進等が必要となります。

 

以下、政府の取組状況を紹介いたします。

水素基本戦略

政府は、2017年12月26日に、2050年を視野に将来目指すべきビジョンとその実現に向けた2030年までの行動計画を内容とする「水素基本戦略」を策定しました。

 

基本戦略では、目標として、従来エネルギー(ガソリンやLNG等)と同等程度の水素コストの実現を掲げ、その実現に向け、水素の生産から利用まで、各省にまたがる政策群を共通目標の下に統合した内容となっています。

また、基本戦略に基づき、カーボンフリーな水素を実現することで、水素を新しいエネルギーの選択肢として提示するとともに、日本の強みを活かし、日本が世界のカーボンフリー化を牽引していくことを目指すこととなります。

 

水素基本戦略のシナリオ

 

水素基本戦略の概要

1 我が国のエネルギー需給を巡る構造的課題

 

(1)エネルギーセキュリティ/自給率

○一次エネルギー供給の約94%を海外化石燃料に依存。自動車は燃料の98%が石油系、うち約87%を中東に依存。
○エネルギー自給率は6~7%で低迷。OECD34か国中2番目に低い水準。

 

(2)CO2排出制約

○30年度、13年度比26%減(05年度比25.4%減)が目標。
○パリ協定を踏まえ、長期的には2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指す。

 

2 水素の意義と重要性

 

(1)供給・調達先の多様化による調達・供給リスクの根本的軽減

○水素は、再エネ含めたようなエネルギー源からの製造・貯蔵・運搬が可能。特定のエネルギー源に依存しない多様な構造に変革。

 

(2)電力、運輸、熱・産業プロセスのあらゆる分野の低炭素化

○水素は利用時にCO2を排出しない。製造段階でのCCSや再エネの活用で、トータルでCO2フリーのエネルギー源に。
○燃料または燃料電池との組合せであらゆる分野での究極的な低炭素化が可能。

 

(3)3E+Sの観点からの意義

○水素社会の実現は手段。水素社会を実現することで3E+Sの達成を目指す。

 

(4)世界へ先駆けたイノベーションへの挑戦を通じた国際社会への貢献

○日本の水素技術を海外展開し、世界の低炭素化を日本がリード。

 

(5)産業振興・競争力強化

○日本の水素・燃料電池技術は世界最高水準。国内外での積極展開により、新たな成長産業の一つに。

 

(6)諸外国における水素の取組を先導

○グローバルな動向を常に把握し、日本が世界の水素社会実現のトップリーダーに。

 

3 水素社会実現に向けた基本戦略

 

(1)低コストな水素利用の実現:海外未利用エネルギー/再生可能エネルギーの活用

○水素社会の実現には、水素の調達・供給コストの低減が不可欠。
○海外の安価な未利用エネルギーとCCSとの組合せ、または安価な再エネ電気から水素を大量調達するアプローチを基本に。インフラとしての国際サプライチェーンの構築と同時並行で。
○2030年頃に商用規模のサプライチェーンを構築し、年間30万t程度の水素を調達。30円/Nm3程度の水素コストの実現を目指す。
○将来的に20円/Nm3程度までコストを低減。環境価値も含め、既存のエネルギーコストと同等の競争力実現を図る。

 

(2)国際的な水素サプライチェーンの開発

○効率的な水素の輸送・貯蔵を可能とするエネルギーキャリア技術を開発。
○液化水素サプライチェーン開発は、2030年頃の商用化に向けて2020年代半ばまでに商用化実証を実施。
○有機ハイドライドサプライチェーン開発は、2020年度までに基盤技術を確立し、2025年以降の商用化を目指す。
○エネルギーキャリアとしてのアンモニア活用は、直接燃焼時のNOx低減、可燃性劇物に係る安全性確保等の課題解決を進め、2020年代半ばまでのCO2フリーアンモニアの利用開始を目指す。
○CO2フリー水素を用いたメタネーションは普及方策を検討。

 

(3)国内再生可能エネルギーの導入拡大と地方創生

a.国内再エネ由来水素の利用拡大

○再エネ利用の拡大には、調整電源の確保とともに、余剰電力の貯蔵技術が必要。
○蓄電池では対応の難しい長周期の変動には、再エネを水素に換えエネルギーを貯蔵する「Power-to-gas技術」が有望。
○カギはコスト低減。Power-to-gasのちゅかくである水電解システムについて世界最高水準のコスト競争力を実現すべく、2020年までに5万円/kWを見通す技術を確立。
○2032年頃には商用化を、更に、将来的に再エネの導入状況に合わせて輸入水素並みのコストを目指す。

b.地域資源の活用及び地方創生

○未利用の地域資源(再エネ、廃プラスチック、下水汚泥、副生水素等)の活用は、低炭素水素の利活用拡大のみならず、地域のエネルギー自給率の向上やBCP、新たな地域産業創出、再エネを中心とした分散型エネルギーシステムの確立に資するもの。
○課題は、①地域の水素需要拡大・需給の最適化、②設備の低コスト化、③発電・原料調達コストの低減。
○現在進めている実証事業の結果をモデルとし、地域資源を活用した低炭素な水素サプライチェーン構築支援等を行う。

 

(4)電力分野での利用

○水素発電は、天然ガス火力発電等と同様、再エネ導入拡大に必要となる調整電源・バックアップ電源としての役割大。
○また、水素を安定的かつ大量に消費する点でも有益。
○国際的な水素サプライチェーンとともに2030年頃の商用化を実現し、17円/kWhのコストを目指す。水素調達量として、年間30万t程度(発電容量で1GW)を目安に。
○将来的には環境価値を含め、既存のLNG火力発電と同等のコスト競争力を目指す。水素調達量として、年間500万~1,000万t程度(発電容量で15~30GW)を目安に。
○導入に当たっては、経済性の確立、環境価値の評価等について、他の制度設計に係る議論を注視しつつ検討を進める。
○メタン、アンモニアはキャリアの直接利用が可能。アンモニアについては2020年頃までの石炭混焼発電等での利用開始等を目指す。

 

(5)モビリティでの利用

○FCVは2020年までに4万台程度、2025年までに20万程度、2030年までに80万程度の普及を目指す。水素STは2020年度までに160箇所、2025年度までに320箇所の整備、2020年代後半までにST事業の自立化を目指す。
○そのため、規制改革、技術開発、官民一体による水素STの戦略的整備を三位一体で推進。
○再エネ由来水素ステーションは、ステーションの最適配置の観点から商用水素ステーション整備と連携を密に。
○FCバスは、2020年度までに100台程度、2030年度までに1,200台程度の導入を目指す。
○FCフォークリフトは、2020年度までに500台程度、2030年度までに1万台程度の導入を目指す。
○FCトラックの開発・商用化等も目指す。
○小型船舶のFC化を進める。

 

(6)産業プロセス・熱利用での水素活用の可能性

○CO2フリー水素は、①電化が困難なエネルギー利用分野において燃料として活用することで、また、②工業用途で使用されている化石燃料由来の水素を代替することで、低炭素化を図ることが可能。
○将来的にはCO2フリー水素による産業分野等の低炭素化を図る。

 

(7)燃料電池技術活用

○エネファームは2020年頃までにPEFC80万円、SOFC100万円の価格を実現し、自立的普及を図る。
○集合住宅や寒冷地、欧州等の熱需要の大きい地域の市場などを開拓する。
○2030年以降は、CO2フリー水素を燃料とする純水素燃料電池コージェネ導入拡大を図る。

 

(8)革新的技術活用

○2050年を見据えた革新的技術開発として、高効率な水電解などの水素製造技術、低コスト・高効率なエネルギーキャリア、高信頼性・低コストな燃料電池等の開発が必要。
○関係府省庁が連携してシームレスに実施。

 

(9)国際展開(標準化等)

○国際的な枠組みを活用しつつ、国際標準化の取組を主導。技術開発や関係機関との連携を図る。

水素閣僚会議

2018年10月23日、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、世界で初めて閣僚レベルが水素社会の実現をメインテーマとして議論を交わす「水素閣僚会議」を開催しました。

本会議には、閣僚級、関係企業のトップを含め、世界21の国・地域・機関の代表を含め300人を超える関係者が参加し、水素に関する国際連携の重要性を確認するとともに、グローバルな水素利活用に向けた政策の方向性を共有し、その成果がTokyo Statement(東京宣言)として議長国である日本から発表されました。

今後は、来年6月に日本が議長国を務めるG20エネルギー・環境大臣会合においても、エネルギー転換・脱炭素化に向けた水素の役割の重要性について議論を行う予定です。

※水素閣僚会議に関する資源エネルギー庁による記事は、<こちら>をクリックして、ご覧ください。

東京宣言(Tokyo Statement)

東京宣言は、水素社会の実現のために、以下の項目について協力する重要性を確認しました。

※以下の文章は東京宣言の仮訳より抜粋

 

1.技術協力及び規制、規格・規準のハーモナイゼーション、標準化の推進

○水素貯蔵、その他構成部品等の燃料電気自動車、水素インフラ及び水素ステーションの充填プロトコルを含めた、水素関連技術の協調及び協力
○水素の世界市場を支援すべく、水素ステーション、大型輸送車、貯蔵海上(海運)及びその他のアプリケーションの規制、規格、標準のハーモナイゼーションをはかるべく産業界と調整を行う

 

2.水素の安全性及びサプライチェーンに関する情報共有及び国際共同研究開発の推進

○研究開発及び技術に関するプロジェクトの促進に向けた協力を行い、水素のサプライチェーンコスト削減及び供給・需要の拡大を図る
○水素による、エネルギー貯蔵、電力及び熱製造に関する研究と協力をより一層促進し、産業・交通分野にって、水素を最も効果的に活用する
○水素の安全性に関する情報、教訓、ベストプラクティスを共有し、安全で持続可能な水素製造、輸送、貯蔵及びインフラの運営を実現する
○水素技術を利用した社会において、同技術を安全かつ持続可能に利用するためのリスク評価及びリスク軽減方法・モデルの研究開発に関する協力を行う

 

3.CO2及び他の汚染物質を削減する水素の可能性調査・評価

○様々な水素製造工程での上流・下流両方における、CO2及び他の汚染物質の削減効果を評価するため、データ収集、分析、共有する
○生態系への影響を最小限に抑え、低コストにすることで、水素を持続的に製造、輸送、貯蔵できるようにした部門を超えた情報共有を行うことで、経済的及び環境的に実現可能なものにする
○一次エネルギー資源、CO2貯蔵及び水の利用可能性も含めた、水素製造の資源利用可能性を評価する
○再生可能エネルギー由来水素が大規模で利活用される場合、化石燃料と競合でいるか可能性を評価するため、コスト構造、バリューチェーン、ビジネスモデルの調査する
○水素が実現するクリーンエネルギーへの将来に対する可能性を評価し、その機会及び課題を精査するため、統合エネルギーシステム分析及びシナリオをつくる

 

4.コミュニケーション、教育及びアウトリーチ

○水素及び燃料電池技術の幅広い関係者を教育するため、適当なアウトリーチと啓蒙プログラム、及びイニシアチブを促進するため協力する
○特に、安全性という観点から、水素に対する関する前向きな意見を構築するため“教育者を教育する”プログラムに関する情報を共有し、水素に関する理解の広がり(普及)を強化する

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