東京電力の基礎知識

東京電力ホールディングス株式会社の株式について、議決権ベースで過半数の約50.1%を保有している支配株主は、内閣府、文部科学省、経済産業省の各府省が所管している「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」(略称:原賠機構)です。

つまり、国は、原賠機構を通じて、実質的に東京電力を支配・管理しています。

原賠機構と東京電力は、原賠機構法に基づき、「特別事業計画」を共同して作成し、内閣総理大臣及び経済産業大臣の認定を受けなければなりません。

最新の『新々・総合特別事業計画(第三次計画)』(2017年5月18日認定)には、廃炉等に関して、次のように記載されています。

また、福島第一原子力発電所の廃炉は、世代を超えた取組が求められる国家的課題であり、日本全体の技術力が試される「ナショナル・チャレンジ」と呼び得るものである。機構・東電HDは、国内外の叡智を取り込んだ「日本の総力を結集した廃炉推進体制」の構築に向けて、関係機関との協力を進めていく。


さらに、東電HDは、オープンイノベーションプラットフォームを活用し、個別課題に対して世界から広く知見やアイデアを収集するなどの取組を通じて、有効なシーズの探索に努めていく。
東電HDは、こうした原電との協力事業の推進や産学官が一体となった研究開発、海外の知見の活用等により、国内外の叡智を取り込んだ「日本の総力を結集した廃炉推進体制」の構築に中核的な役割を果たし、幅広い技術に関する研究開発を行っていく。

 

東京電力及び原賠機構は、法律に基づく『新々・総合特別事業計画』において、国内外の最新の技術・知見を結集させて廃炉・汚染水対策を進めることを国民に対し約束しています。


以下、詳細を掲載いたします。


原子力損害賠償・廃炉等支援機構とは

原子力損害賠償・廃炉等支援機構(略称:原賠機構)は、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構法」に基づき、国により認可されて設立された法人です。

内閣府、文部科学省、経済産業省の3府省が共管しています。

※主務大臣は内閣総理大臣、文部科学大臣、経済産業大臣です。


原賠機構の目的

以下の①及び②により、国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展に資することが目的です。

①大規模な原子力損害が発生した場合において、原子力事業者の損害賠償のために必要な資金の交付等の業務を行うことにより、原子力損害賠償の迅速かつ適切な実施及び電気の安定供給等の確保を図ること

②新たに廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発、助言、指導及び勧告等の業務を行うことにより、廃炉等の適切かつ着実な実施の確保を図ること


原賠機構の主な業務

(1)賠償部門

①負担金の収納業務
原賠機構の業務に要する費用として、原子力事業者から負担金の収納を行う。

②資金援助業務
原子力事業者が損害賠償を実施する上で機構の援助を必要とするときは、原賠機構は、原賠機構の運営委員会の議決を経て、資金援助(資金の交付、株式の引受け、融資、社債の取得等)を行う。

※2012年7月31日、原賠機構が1兆円で東京電力株式を引受し、議決権の過半数を得て、支配株主となりました。

原賠機構の東京電力株式所有状況

※東京電力は、賠償見込額に基づき、原賠機構に対して資金交付要請を毎月実施しています。原賠機構は、東京電力からの要請を踏まえ、国に国債償還を請求し、償還額を東京電力に対して資金交付しています。
2021年1月20日の時点で、累計約9.5兆円を交付しています。

資金交付の流れ

(2)廃炉部門

①廃炉等を実施するために必要な研究及び開発
特定原子力施設の廃炉等の実施に必要な研究開発を計画的に進める観点から、企画、調整及び管理業務を行う。

②廃炉等積立金管理
特定原子力施設の廃炉等の確実な実施を確保するため、特定原子力施設の廃炉等を行う原子力事業者から機構に積み立てられた廃炉に必要な資金を管理する。

③廃炉等の適正かつ着実な実施の確保を図るための助言、指導及び勧告
適正かつ着実な廃炉等の実施を確保する観点から、燃料デブリの取り出し等の中長期的な課題に関して技術的検討を行うとともに、原子力事業者等の関係機関に対して当該検討内容を提示するなど、必要な助言、指導及び勧告を行う。

④廃炉等に関する情報の提供
特定原子力施設の廃炉等に関する情報について、幅広く国内外に提供する。


法律に基づく特別事業計画

原賠機構と東京電力は、原賠機構法第45条第1項に基づき、「特別事業計画」を作成し、主務大臣たる内閣総理大臣及び経済産業大臣の認定を受けなければなりません

最新の「特別事業計画」は、『新々・総合特別事業計画(第三次計画)』(2017年5月18日認定)です。

※詳細は【こちら】をクリックして、ご覧いただけます。
※認定後、5回の改定が行われていますが、廃炉部分については変更がありません。

法律に基づいて作成・認定された『新々・総合特別事業計画(第三次計画)』には、廃炉等について以下のように記載されており、国内外の最新の技術・知見を結集させて廃炉・汚染水対策を進めることとしています。

また、福島第一原子力発電所の廃炉は、世代を超えた取組が求められる国家的課題であり、日本全体の技術力が試される「ナショナル・チャレンジ」と呼び得るものである。機構・東電HDは、国内外の叡智を取り込んだ「日本の総力を結集した廃炉推進体制」の構築に向けて、関係機関との協力を進めていく。
(『新々・総合特別事業計画(第三次計画)』16頁)


さらに、東電HDは、オープンイノベーションプラットフォームを活用し、個別課題に対して世界から広く知見やアイデアを収集するなどの取組を通じて、有効なシーズの探索に努めていく。
東電HDは、こうした原電との協力事業の推進や産学官が一体となった研究開発、海外の知見の活用等により、国内外の叡智を取り込んだ「日本の総力を結集した廃炉推進体制」の構築に中核的な役割を果たし、幅広い技術に関する研究開発を行っていく。
(『新々・総合特別事業計画(第三次計画)』23頁)
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