北陸新幹線の敦賀以西に関する手続きと財源について

北陸新幹線の敦賀・新大阪間については、金沢・敦賀間の開業(2023年3月)の後に間断なく着工するためには、以下のとおり、2023年3月までに安定的な財源見通しをつけ、工事実施計画の認可を得る必要があります。

整備新幹線建設の手続の概略

新幹線の建設は、主に以下のようなプロセスを踏むこととなります。

(1)ルート詳細調査・公表(ルートと駅の決定)
(2)環境影響評価(アセスメント)

※北陸新幹線(敦賀・新大阪間)については、国交省は4年程度かかると見通しています。

(3)工事実施計画の申請→認可
(4)着工

 

(3)の工事実施計画の作成から審査、認可については、全国新幹線鉄道整備法第9条第1項により、以下のような手順で行われることとなります。

整備新幹線の工事実施計画に関する手続

認可に際して行われる審査の事項は、全国新幹線鉄道整備法施行規則第2条第1項で、以下のとおり定められています。

①路線名
②工事の区間
③線路の位置
④線路延長
⑤停車場の位置
⑥車庫施設及び検査修繕施設の位置、
⑦工事方法
⑧工事予算
⑨工事の着手及び完了の予定時期

 

また、着工に際しては、以下の「着工5条件」を満たすことも必要となります。

➊安定的な財源見通しの確保
➋収支採算性
➌投資効果
➍ JRの同意
➎並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意

敦賀以西の財源の確保について

与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームが敦賀・新大阪間のルートを決定した際、工期15年・建設費約2兆1,000億円という内容で了承しました。

※工期を2期に分け、京都先行開業の要望を早期にすべきことについては、【こちら】をご覧ください。

 

北陸新幹線の建設費の負担割合

仮に貸付料収入が年間200億円×30年間=6,000億円となり、それを前倒し活用した場合であっても、現在の財源スキームに従えば、約1兆5,000億円が国(約1兆円)と地方(約5,000億円)の負担となってしまいます。

地方の負担を軽減するには、JRが受益の範囲で30年間支払うこととなっている貸付料等を再検討し、増額を図ることが必要となります。

 

◆検討事項①:貸付料支払い対象期間の見直し

貸付料支払期間30年間という根拠は、過去に鉄道施設の耐用年数やそれに応じたメインテナンス費用等によります。
しかし、現在では耐用年数が延びている(50年以上と見込む見解もあります)ので、安全性の確保を大前提に、メインテナンス費用が増加することを勘案しつつ31年目以降も貸付料支払いの対象とすることを検討します。

 

◆検討事項②:受益の範囲の見直し

貸付料の算定根拠となった予想収益(受益の範囲)よりも実際の収益が良い事例もあることから、算定方法の再検討を行い、1年当たりの金額の増額を検討します。

 

◆検討事項③:財政投融資借入の活用

貸付料の前倒し活用については、平成28(2016)年度補正予算において、財政投融資借入を活用して金利負担の軽減を図る方法が用いられてきました。
敦賀以西についても同様の方法で貸付料の前倒し活用にかかる民間借入れを借換えすることによる金利削減効果により、貸付料財源の上積みが可能にならないかを検討することも必要です。

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