働き方改革

労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現するため、(1)長時間労働の是正、(2)同一労働同一賃金、(3)高度プロフェッショナル制度の導入等を内容とする「働き方改革推進法」が成立しました。

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以下、その概要をご説明いたします。

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(1)長時間労働の是正

①労働時間に関する制度の見直し

◆時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情(年間6か月まで)がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度とする。

長時間労働の是正
※自動車運転業務、建設事業、医師等について、猶予期間を設けた上で規制を適用等の例外あり。
※研究開発業務について、医師の面接指導や代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で、適用除外。

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②中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し

◆月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を2023年4月1日より廃止する。

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③一定日数の年次有給休暇の確実な取得

◆使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならない。
※ただし、労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はない。

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④労働時間の状況の把握の実効性確保

◆使用者は、労働時間の状況を、使用者の現認や客観的方法による把握等を原則とする省令で定める方法により把握しなければならない。

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⑤勤務間インターバル制度の普及促進

◆事業主は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない。

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⑥企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進

◆企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組を促進するため、企業全体を通じて一の労働時間等設定改善企業委員会の決議をもって、年次有給休暇の計画的付与等に係る労使協定に代えることができることとする。

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⑦産業医・産業保健機構の強化

◆事業者(産業医の選任義務のある労働者数50人以上の事業場)は、衛生委員会に対し、産業医が行った労働者の健康管理等に関する勧告の内容等を報告しなければならないこととする。
◆事業者(産業医の選任義務のある労働者数50人以上の事業場)は、産業医に対し、産業保健業務を適切に行うために必要な情報を提供しなければならないこととする。

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(2)雇用形態にかかわらない公正な待遇(同一労働同一賃金)

①不合理な待遇差を解消

◆短時間・有期雇用労働者に関し、正規雇用労働者との不合理な待遇差を禁止し、個々の待遇ごとに、その待遇の性質や目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化する。
◆有期雇用労働者について、正規雇用労働者と職務内容、職務内容・配置の変更範囲が同一である場合の均等待遇の確保を義務化する。
◆派遣労働者について、「派遣先の労働者との均等・均衡待遇」または「同種同業の一般の労働者の平均的な賃金と同等以上であること等の一定の要件を満たす労使協定による待遇」のいずれかを確保することを義務化する。
◆以上の各点について、国がガイドラインを策定する根拠規定を整備する。

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②労働者に対する待遇に関する説明義務の強化

◆短時間労働者、有期雇用労働者、派遣労働者について、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明を義務化する。

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③行政による履行確保措置及び裁判外紛争解決手続(行政ADR)の整備

◆①の義務や②の説明義務について、行政による履行確保措置及び行政ADRを整備する。

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(3)高度プロフェッショナル制度の創設

①高度プロフェッショナル制度の創設

以下の対象業務・対象労働者について、一定の手続きを経た場合に、時間外・休日労働協定の締結や時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の規定を適用除外とする。

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◆対象業務

・「高度の専門的知識を必要とする」とともに「従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる」労働者。
※詳細は省令で規定する予定であるが、具体的には、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等が想定されている。

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◆対象労働者

・書面等による合意に基づき職務の範囲が明確に定められている労働者
・1年間に支払われる賃金の額が1,075万円以上の労働者
(『平均給与額』の3倍を相当程度上回る水準として省令で規定される額(1,075万円以上で検討中)となります)

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◆健康確保措置

・使用者は、客観的な方法等により在社時間等の時間である「健康管理時間」を把握する。
・年間104日間の休日を確実に取得させることを義務化。
・「健康管理時間」が一定時間を超えた労働者に対し、医師による面接指導を実施。
・インターバル措置(終業時刻から始業時刻までの間に一定時間以上を確保する措置)、1月又は3月の健康管理時間の上限措置、2週間連続の休日、臨時の健康診断のいずれかの措置の実施を義務化。

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◆制度導入等に関する手続

・職務記述書等に署名等する形で職務の内容及び制度適用について本人の同意を得ること。
・導入する事業場の労使委員会で、対象業務・対象労働者をはじめとした上記の各事項等を決議すること。
・高プロ制度の適用に係る対象労働者の同意の撤回に関する手続を労使委員会の決議事項とする。

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②フレックスタイム制の見直し

フレックスタイム制における「清算期間」の上限を、1か月から3か月に延長する。

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